空海の言葉

風の時代のメッセージ

心は香、体は花

空海思想の三つの柱

一 即身成仏。生きているだけで仏さま。

二 実践主義。行動が大事。

三 平等主義。ワンネス。

 

この中の二つ目、実践の大切さを表した言葉です。

心を洗うて香とし 体を恭んで花とす

(性霊集 巻八)

 

こころをあろうてこうとし、からだをつつしんではなとす。

f:id:travelertoearth:20210223162236p:plain

心も体も清らかに、慎ましく。

 

仏前の香華のような人を讃えた言葉です。

 

空海の「実践主義」とは、決して厳しい修行のみを指してはいません。

また「書物ばかり漁る頭でっかちはだめ。感じ取ることが大事」とも。

 

花を飾り、香を焚くと、自然と気持ちが和み、ざわついた心が整ってきます。

自分が癒されていると、周囲の人たちにも安らかさが拡散します。

 

こんな話を高野山のお坊さんから聞いたことがあります。

「きれいな満月が湖面に映るには、湖面が穏やかでなければなりません」

満月を仏の慈悲だとすると、その慈悲を受けたい私たちの心が波打っていては、加護を受けられないというのです。

これが「加持」という言葉の意味だそうです。受け手側の意識や行動が大事ということです。

 

現実社会でも、双方向に共鳴すれば、優しさが広がっていくイメージです。

 

心を洗うて香とし 体を恭んで花とす

 

理屈抜きで、美しい言葉。

ただ唱えるだけでも、行動です。

 

そして

花を飾り、香を焚きましょう。まず、自分自身のために。